人には相談できない悩みを抱えていたり、複雑の家庭事情があったりして、リストカットなど、自傷行為に及んでしまうことは必ずしも珍しいこととは言えません。

ただ、リストカットにともなう傷跡が残ってしまうと、傷跡を見るたびにつらい過去がよみがえってしまいます。そのような場合、レーザー治療によって傷跡を目立たなくさせることがおすすめです。

今回は、池袋サンシャイン美容外科で用いている、最新鋭のフラクショナルレーザーについて、その特徴や治療の流れ、料金などをご紹介したいと思います。

リストカットや事故、傷害などの傷跡は消すことができる？施術方法

リストカットだけでなく、交通事故や傷害、やけどにともなって、皮膚に醜い傷跡が残ることは珍しくありません。では、そのような傷跡は消すことができるのでしょうか。消せるとしたら、どのような施術方法がおすすめなのでしょうか。

レーザー治療（スターラックス傷跡治療レーザー）

結論からいうと、リストカットや事故などが原因となる傷跡については、ちょっと見たくらいでは分からない程度にまで、目立たなくさせることが可能となっています。

最新鋭のスターラックス傷跡治療レーザーを用いることで、皮膚の組織を再構築し、なおかつセルフケアに取り組むことで、傷跡を限りなくきれいな状態へと近づけることが期待できます。

手術の概要説明

池袋サンシャイン美容外科で利用しているスターラックス1540は、アメリカのPalomar社製のフラクショナルレーザー治療器です。

従来のフラクショナルレーザーに比べて、皮膚の深い場所にまでレーザーを照射することが可能となっています。また、皮膚の表面を冷やしながら施術することができるため、施術にともなう痛みが少ないのも特徴です。

フラクショナルレーザーによって、目には見えないくらいの小さな穴を皮膚に穿ち、その小さな傷が治っていく過程で、リストカットや事故などにともなう大きな傷跡が目立たなくなっていくのです。

皮膚を切開するような治療法ではなく、皮膚の再構築を促す施術であるため、目に見える効果が現れるまでに少し時間がかかりますが、自分の皮膚が再構築されるため、いったん効果が現れると、その効果がとても長く継続します。

治療の流れ

スターラックスによる手術をおこなう場合、レーザーを照射する場所全体に塗布するタイプの麻酔を施します。場合によっては、痛みを感じにくくさせるための注射をおこなうケースもあります。

レーザーの照射時間はおよそ5分から10分程度で、照射した後に15分ほどクーリング（冷却）をおこないます。

痛みには個人差がありますが、日焼けしたときのヒリヒリ感をイメージしていただけると分かりやすいと思います。日焼けの場合と同様、冷やすことで痛みが緩和していきます。

レーザーの照射後、1週間ほど経つと皮膚の表面がカサカサと、粉を吹いたように変化していきます。その状態を過ぎると、皮膚の表面が滑らかになっていきます。

料金

1クール5回の施術をおすすめしており、5回の施術をおこなう場合、4回分の料金（140,400円）で施術を受けていただけます。

薬治療

ケロイド予防のリザベン

抗アレルギー剤であるリザベンには、炎症部位から放出される化学伝達物質を抑制する働きがあります。それによって、患部のかゆみを抑えたり、傷跡自体を改善したりする効果が得られます。

ただし、リザベンの効果はそれほど強くないため、その他の治療法と併せて用いられることがほとんどです。

キズアトのふくらみを軽減するステロイドテープ

ステロイドテープには、瘢痕（傷跡の盛り上がった部分）を改善する効果が期待されています。当院ではひどい瘢痕に対してはエクラープラスターを、比較的軽度の瘢痕に対してはドレニゾンテープを用いています。

注射治療

ケロイド状の傷跡のふくらみをへこませるケナコルト注射

傷跡がケロイドのように醜く盛り上がっている場合、ステロイド製剤であるケナコルトを注射するケースもあります。ただし、毛細血管が拡張したり、かえって瘢痕を増したりするケースもあるため、慎重に利用することが求められます。

切除手術

傷跡をレーザーではなく手術で切り取る方法

スターラックスではなく、傷跡を手術で切り取る方法もあります。レーザー治療は改善までに時間がかかる治療法なので、すぐに傷跡を目立たなくさせたいという方には、切除手術もおすすめしています。

切除することによる傷跡（手術跡）は残ってしまうのですが、リストカットの跡だと分からなくすることが可能となっています。

傷跡治療のアフターケア

傷跡の乾燥を防ぎ、レーザー照射による治癒力をアップさせるプラセンタクリーム

レーザー治療をおこなったあとの皮膚は過敏になっているため、アフターケアが欠かせません。特に皮膚が乾燥するとかゆみなどのリスクが増すため、傷跡の乾燥を防ぐためにプラセンタクリームを塗布します。

治療できる傷跡の種類と効果

スターラックスによる施術の方法や、レーザー治療以外の治療方法について知っていただいたところで、そのような治療法がどんな傷跡に対して有効なのかをご紹介したいと思います。

リストカットの傷跡

リストカットによる傷跡には、特にレーザー治療をおすすめしています。

通常、リストカットの傷跡は浅いケースが多いのですが、何度も繰り返し自傷するケースが少なくありません。

そのような傷跡に対してフラクショナルレーザーを照射することで、皮膚の再構築を促し、リストカット以前の見た目に戻すことが期待できます。

火傷跡

火傷をした後は、傷跡がケロイド状に盛り上がってしまうことも珍しくありません。そのような傷跡に対してもレーザー治療が効果的です。

また、レーザー治療によって皮膚の凹凸を改善したのち、ビタミンCやビタミンEを摂取するなど、セルフケアをおこなうことも重要です。

やけどの跡があまりにもひどい場合は、切除手術をおすすめするケースもあります。

手術跡

手術跡が目立つ場所にあって気になる方にも、レーザー治療がおすすめです。レーザー治療をおこなうことで、手術にともなう傷跡の盛り上がりや赤みを改善することが期待できます。

また、ワキガの手術跡が引きつってしまうというお悩みをお持ちの方にも、レーザー治療がおすすめです。当院には、他院で手術を受けた際の瘢痕が気になる方もたくさんいらっしゃいます。

まとめ

皮膚に傷跡が残ってしまうと、他人の目が気になって薄着ができなくなったり、温泉やプールを楽しめなくなったりすることがあります。また、傷跡を見るたびにつらい思い出がよみがえることもあります。

監修者情報

医療法人社団　栄真会
池袋サンシャイン美容外科

院長 鈴木 栄樹

日本美容外科学会正会員・認定医
日本美容外科医師会正会員
日本抗加齢医学正会員

＜院長略歴＞
95年　聖マリアンナ医科大学卒業
03-06年　医療法人博済会鈴木病院 美容外科外来開設
06年　池袋サンシャイン美容外科開設