汗は私たちにとってとても身近な生理現象です。
運動をした時、夏の暑い時、お風呂に入った時。私たちはさまざまなシチュエーションで汗をかきます。
普段はほとんど気に留めることもない存在の汗ですが、脇の下に多量の汗をかく「脇汗」となると、コンプレックスに感じる人も少なくありません。
そこでこの記事では、脇汗の原因や脇汗を止める方法、自分で出来る対策などをご紹介します。
脇汗で悩んでいる人は参考にしてみてください。
脇汗が止まらない理由!脇汗の原因とは?
脇汗には個人差があり、衣服に染みるほど大量にかく人もいれば、ほとんどかかない人もいます。
では、脇汗が止まらないのにはどんな理由があるのでしょう。
まずは、汗のメカニズムや、脇汗をかくと困る理由について説明していきます。
汗をかく原因
ひと言に「汗」と言っても、その原因は単なる生理現象から病気によるものまでさまざまです。
そして、自分の「汗」がどのような原因によるものなのかを知ることは、脇汗対策にとって大切な第一歩です。
そこで、まずは汗の主な原因を4つご紹介します。
発汗作用
最も一般的な原因が発汗作用です。
運動した時や気温が暑い時、私たちは体温を調整するために汗をかきます。
汗をかくことで体温が下がり、熱中症などを防ぐことができるのです。
このような発汗作用はごく普通の生理現象であり、病気ではありません。
味覚性発汗
香辛料をたっぷり使った辛い料理を食べた時にかく汗を味覚性発汗と言います。
強烈な辛味で味覚が刺激され、鼻の頭など顔を中心に汗が吹き出します。
食事が終わり味覚への刺激がなくなると、自然と汗もひいていきます。
発汗作用同様、こちらも生理現象の一つなので心配は無用です。
精神疾患
人によっては、緊張した時や驚いた時など、精神的な刺激が原因で汗をかくケースもあります。
精神的な原因による汗の特徴は、汗をかく場所が手のひら・脇の下・足の裏などの限られた部位に集中するという点です。
そのため、脇の下にたくさんの汗をかく人の場合、脇汗が酷いと感じる原因にもなります。
多汗症
汗で服がびしょびしょになってしまう、顔から汗が滝のように流れ出て会話もままならないなど、日常生活に支障が出るほど汗が多い場合は、多汗症という病気が原因の可能性もあります。
多汗症とは交感神経の異常によって体温とは関係なく多量の汗をかいてしまう病気です。
症状の出方や原因はさまざまで、改善には専門医の診察が必要です。
脇汗をかくと困る理由
脇汗で悩んでいる人は多いですが、実際のところ、脇汗をかくとどんな点で困るのでしょうか。
以下に、脇汗が原因で起きる主なトラブルを3つ挙げました。
汗量
脇汗をかくと、シャツやブラウスの脇の部分に汗染みができてしまいます。
脇を閉じているときはあまり気になりませんが、電車の吊り革につかまるなど腕を上げる姿勢になると染みが目立つため、困ると感じる人は少なくありません。
ニオイ
私たちの脇には、アポクリン腺・エクリン腺の2種類の汗腺が存在します。
アポクリン腺から分泌される汗には脂質やタンパク質が含まれており、皮膚の常在菌に分解されることで独特の嫌なニオイを発するようになります。
ニオイが酷くなると、人混みを避けるようになるなど、日常生活にも支障を及ぼす場合があります。
黄ばみ
脂質やタンパク質を含む汗が衣服に付着すると、それらの汚れが衣服の繊維に徐々に蓄積していきます。
洗濯をしても、繊維に絡んだ汚れを完全に落としきることはできません。
繊維に蓄積した汚れは時間の経過とともに酸化していきます。
これが黄ばみの原因です。
特に白いシャツやブラウスなどは黄ばみが目立ちやすく、そのままにしていると周囲から不潔な印象を持たれてしまう恐れがあります。
脇汗を止める方法
ドラックストアなどには脇汗対策用の制汗剤などが多く売られていますが、本気で脇汗を止めたいのであれば、専門の病院で治療を受ける必要があります。
脇汗の治療は皮膚科や美容外科などで受けることができます。
治療の方法によって保険が適用されるものと自費診療になるものが存在するため、病院やクリニックで治療を受ける場合は事前に費用を確認しておくことが大切です。
病院で治療をする
脇汗を止めるためには、専門の病院で治療を受ける必要があります。
脇汗の主な治療方法を以下にご紹介します。
手術
最も効果的な治療法の一つが手術です。
脇のシワに沿って皮膚を切開し、アポクリン腺とエクリン腺を外科的に切除する「直視下反転剪除法」を行えば、汗の量を減らすことが可能となります。
また、この手術では毛根も一緒に取るため、脇脱毛の効果も同時に得られます。
ボトックス注射
ボトックス注射は、ボツリヌス製剤を患部に注射することで筋肉の働きを阻害し、汗の分泌量を減らす治療法です。
手術に比べて体への負担が少ないのがメリットですが、3ヶ月〜半年程度で効果が無くなってしまうため、定期的に注射を打ち続ける必要があります。
手術は避けたい人や、手のひらや足の裏の汗も改善したい人にはおすすめの方法です。
治療薬
脇汗の治療薬には外用薬と内服薬があります。
外用薬は、塩化アルミニウムなど、脇汗の治療に効果的とされる有効成分を配合した薬を患部に塗り、症状を緩和・改善させます。
内服薬には、抗コリン薬や漢方薬が用いられます。
これらの治療法は、手術やボトックス注射に比べると効果が現れるまでに時間がかかるケースが多く、また、効果の持続時間も上記の方法に比べると短い傾向があります。
自宅で出来るワキ汗対策
病院に通う時間がなかなかとれないという人でも、自宅で脇汗対策をすることは可能です。
ただし、前述の手術やボトックス注射のように脇汗の分泌自体を止めることはできません。
こちらでご紹介する方法はあくまでも対処療法ですが、とりあえず脇汗をなんとかしたいという人にはおすすめの方法です。
制汗剤
先にも述べたように、ドラックストアなどでは脇汗対策用の制汗剤が数多く売られています。
脇の下など、気になる部分にあらかじめ制汗剤を塗っておくことで、汗を抑える効果が期待できます。
制汗剤にはシートタイプとスプレータイプがあり、脇をピンポイントでケアしたい場合は汗を拭き取りながらケアできるシートタイプがおすすめです。
また、デオドラント効果のある制汗剤を使えば、ニオイの発生も緩和することができます。
脇汗シート
脇汗シートは、脇の下に貼る使い捨てタイプのシートです。
シートに汗を吸収させることで、衣服に汗染みができるのを防ぎます。
ドラッグストアなどで購入することができ、1枚ずつになっているもの、ロールタイプのもの、肌ではなく衣類に貼るタイプのものなど、さまざまな種類があります。
汗染み対策にはとても効果的ですが、肌がかぶれやすい人などは使用の際に注意が必要です。
まとめ
たかが脇汗といえども、目立つ汗染みができたり、嫌なニオイが発生したりすると、周囲の目が気になって快適な日常生活が送れなくなってしまいます。
ですが、脇汗のメカニズムを理解して原因に応じた対策を行えば、症状を緩和することは可能です。
脇汗で悩んでいる人は、上記にご紹介した内容を参考に、自分の症状に即した対策を行ってみてください。
脇汗の問題を解決すれば、自信を持って人前に出ることができます。
不快な脇汗はそのままにせず、適切な治療・対策を行い、症状を改善しましょう。
当院では、わきが治療はもちろん、わきがかどうかを診断するカウンセリングを行っております。
自分がわきがかはわからないが、汗のにおいが気になるという方、大量に出る汗の理由を診断されたい方はぜひ一度当院のカウンセリングにお越しください。
監修者情報
医療法人社団 栄真会
池袋サンシャイン美容外科
院長 鈴木 栄樹
日本美容外科学会正会員・認定医
日本美容外科医師会正会員
日本抗加齢医学正会員
<院長略歴>
95年 聖マリアンナ医科大学卒業
03-06年 医療法人博済会鈴木病院 美容外科外来開設
06年 池袋サンシャイン美容外科開設