ニキビパッチを貼るとニキビが悪化する?ニキビの正しい治し方とは?

2020.08.05 更新
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中学生や高校生に多く見られる思春期ニキビは、思春期を終えることで自然と治ってしまうケースが少なくありません。

ただ、大人になってもニキビに悩まされている方もいらっしゃることと思います。

そんなニキビへの対処法として、薬局やドラッグストアで売られているニキビパッチを貼るという方法が知られていますが、果たしてニキビパッチでニキビは改善するのでしょうか。

ニキビができるようなお肌は敏感肌であるため、ニキビに対しても慎重に対処することが求められます。

ニキビの正しい治し方と併せて解説したいと思います。

ニキビバッチはニキビの対処に効果的?

最近、ニキビを治すためにニキビパッチを貼るという手段を取られる方がいらっしゃるそうですが、医学的に見た場合、ニキビパッチはニキビへの対処法として正解なのでしょうか。

ニキビバッチとは

ニキビパッチは、コスメの先進国である韓国ではよく用いられている、スキンケアグッズの一種です。

日本にもいくつかの種類が入ってきており、使ったことがあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ニキビパッチは、ニキビを改善するのに効果的とされる有効成分が配合されたシールタイプの商品で、ニキビができた場所に貼ることで、炎症を鎮めたり、膿を吸い出したりする効果があると言われています。

ニキビパッチの効果

ニキビのことを医学的には尋常性ざ瘡と呼んでいますが、ニキビができた場合、単に炎症を起こしたり膿がたまったりするだけでなく、熱を帯びて痛みを発したり、醜い跡が残ったりすることもあります。

ニキビパッチには主に、炎症を抑えて膿を吸い出す効果があるとされていますが、ニキビによってできた傷跡を修復するような効果は期待できません

ニキビパッチの正しい使用方法とは?

ニキビパッチは、ニキビができた場所に貼るだけという簡単なスキンケアグッズですが、実際にはどのようにして使用するものなのでしょう。

ニキビパッチの使用方法

ニキビパッチは、顔を洗った後に使用するのが一般的です。

顔を洗った後には何も付けず、水分をタオルなどでやさしくふき取り、ニキビができた場所へニキビパッチを貼り付けます。

その際、ニキビパッチを手でつかんでしまうと、手に付着した雑菌がニキビへと入り込んでしまうため、なるべくピンセットなどを利用し、直接触らないように気を付ける必要があるということです。

ニキビパッチを貼った上からメイクをするのは問題ありません。

また、寝ている間も貼りっぱなしにして良いと言われています。

ニキビパッチの注意点

ニキビパッチには即効性があるとされており、翌日に大事な予定がある場合などに利用するのがおすすめとされています。

逆に、頑固なニキビに対して用いてもあまり効果がないということです。

医学的に見たニキビパッチの作用について

医学的に見た場合、ニキビ(尋常性ざ瘡)は、ケガであり、病気でもあります

そのため、ニキビに対しては慎重に対処することが求められます。

ニキビが病気というと驚かれるかもしれませんが、ニキビを病気として扱っている証拠として、日本皮膚科学会の策定する「尋常性ざ瘡治療ガイドライン」という指針があります。

医師はニキビの状態を見た上で、どの治療薬が最適なのか、また、投薬治療以外の治療法が適当なのかを判断します。

では、医学的に見た場合、ニキビパッチは効果的といえるのでしょうか。

ニキビパッチでニキビが悪化することも

結論からいうと、ニキビパッチを貼ることによって、ニキビを悪化させるケースが少なくありません。ニキビはケガであり病気でもあるため、医師による治療を受けることが欠かせません。

ニキビパッチに限らず、薬局やドラッグストアで販売されているスキンケア用のコスメを用いることで、ニキビを改善することは期待できません。

ニキビは毛穴に詰まった皮脂や汚れが化膿し、炎症を起こす皮膚疾患です。

ニキビパッチによって毛穴をふさいでしまうと、かえって内容物の排出を妨げる結果ともなりかねません。

また、ニキビパッチの中には、ニキビをつぶして内容物を排出させる仕組みとなっているものもありますが、ニキビをつぶすことは原則としてNGです。

ニキビの根本的な原因を取り除くことが重要

ニキビはある日、突然できるもののようにとらえられがちですが、実は、ニキビは日常の生活習慣やスキンケア、食習慣などの「結果」としてあらわれるものです。

そのため、ニキビの根本的な原因を取り除くことが重要となります。

メカニズムから見ると、ニキビは過剰に分泌された皮脂に汚れや角質が混じり、それが毛穴に詰まって発症するとされています。

ただ、それはニキビができるメカニズムを説明しているだけにすぎません。

では、なぜ皮脂が過剰に分泌されるのでしょうか。

思春期にニキビができやすいのは、思春期に男性ホルモンが活発に働き、皮脂の分泌量が増すからだと考えられています。

大人ニキビの場合、ストレスによる自律神経の乱れや、ホルモンバランスの乱れなどによって、皮脂の分泌量が増すことで、ニキビができるリスクを増すと考えられています。

また、誤ったスキンケアによってお肌のコンディションが悪化すると、やはりニキビができるリスクを増します。

ニキビを根本から改善するためには、ニキビができる要因を1つ1つ取り除いていくことも欠かせません。

ニキビパッチで悪化した場合の対処法

ニキビパッチはあくまでも医薬部外品であり、ニキビを治療するものではありません。

そのようなパッチによってニキビが悪化した場合、どのように対処すればよいのでしょうか。

医療機関を受診する

繰り返しになりますが、ニキビは皮膚に見られる疾患です。

素人判断で適当な措置を採ってしまうと、ニキビがなかなか治らないだけでなく、醜い傷跡となって残ってしまう可能性もあります。

そのため、ニキビができたら専門医に相談するのが一番です。

特にニキビパッチによってニキビが悪化したよう場合、それ以上ひどくならないよう、速やかに医師の診察を受けるよう心がけましょう。

池袋サンシャイン美容外科では、誤った対処法で傷跡が残った場合でも、最新鋭のレーザー治療器でニキビ跡を改善することができます。

ニキビの原因を取り除く

先述したように、ニキビはある日突然できるものではなく、日ごろの生活習慣などの結果としてあらわれます。

そのため、ニキビの原因をしっかりと取り除くことが重要です。

正しいスキンケアをおこなう

ニキビができないようにするためには、普段から正しいスキンケアをおこなう必要があります。

まず、顔を洗う前に、手をきれいに洗っておきましょう。

手には無数の雑菌が付着しているので、そのような手で顔に触れないことが重要です。

また、顔を洗う際にはぬるま湯を用いて、顔をごしごしこすらないことも重要です。
顔を洗い終えたら化粧水で保湿し、乳液やクリームで潤いを閉じ込めましょう。

睡眠をしっかりととる

私たちの体内では、寝ている間に細胞分裂が活発に起こり、損傷部位の修復や疲労の回復がおこなわれています。

睡眠不足になると、そのような機能が低下するため、ニキビが治りにくくなってしまいます。

夜更かしは美容の大敵という言葉にはちゃんと理由があるわけです。

ストレスをコントロールする

現代はストレス社会といわれて久しいです。ストレスによって自律神経が乱されると、お肌のコンディションが低下することはもちろん、睡眠の質を低下させたり、精神的なトラブルを起こしたりします。

そのため、自分なりのストレスコントロール法を持っておくことが重要です。ストレスは万病のもととされているので、あまりため込まないように心がけましょう。

まとめ

美容の先進国でもある韓国からは、いろいろなコスメが輸入されています。

ただ、医学的に見た場合、効果がないばかりか、かえってトラブルのもととなるケースも少なくありません。

ニキビは青春のシンボルなどといわれますが、医師にいわせればケガであり病気です。

たかがニキビと侮らず、頑固なニキビは病院で治療するよう心がけましょう。

監修者情報

医療法人社団 栄真会
池袋サンシャイン美容外科

院長 鈴木 栄樹

日本美容外科学会正会員・認定医
日本美容外科医師会正会員
日本抗加齢医学正会員

<院長略歴>
95年 聖マリアンナ医科大学卒業
03-06年 医療法人博済会鈴木病院 美容外科外来開設
06年 池袋サンシャイン美容外科開設