ワキガと多汗症の違いと治療法についてご紹介

2020.09.01 更新
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女性の方の中には、脇からの汗に悩まされている方も少なくありません。脇から汗をかくとシャツにシミができて恥ずかしいものですし、臭っているのではないかと心配になることもあるでしょう。

ただ、単に脇からの汗の量が多いことと、ワキガとは別物であることをご存知だったでしょうか。今回の記事では、ワキガと多汗症との違いについて詳しく解説するとともに、どのように治療するのかに関してもご紹介したいと思います。

ワキガと多汗症の違い

脇の下に限ったことではありませんが、必要以上に汗をかいてしまうことを多汗症と呼んでいます。汗をたくさん書くと臭いが気になるのもですが、実は、多汗症とワキガは異なる疾患です。では、どのような違いがあるのでしょうか。それぞれについて詳しくみていきましょう。

ワキガ

ワキガは腋臭症(えきしゅうしょう)と呼ばれる疾患で、ツンとした独特の臭気を放つのが特徴です。アフリカ系の民族や欧米人にはワキガの人が多いですが、日本を含むアジア人の場合、ワキガを持っている方はむしろ少数派と言えます。

脇から出た汗が皮膚の常在菌と混じりあって独特の臭気を放つこととなるのですが、その原因として、ワキガの場合の汗がアポクリン汗腺から分泌されることがあげられます。

アポクリン汗腺

人間の汗は汗腺から分泌されますが、実は、汗腺にはアポクリン汗腺とエクリン汗腺の2種類があります。

エクリン汗腺は全身に分布しているのですが、アポクリン汗腺は脇の下や耳の中、陰部など、限られた場所にしか分布していません。

汗は本来無臭なのですが、アポクリン汗腺から分泌される汗には資質やたんぱく質が含まれており、それが皮膚の常在菌に分解されることで、独特の臭気を放つ結果となるのです。

多汗症

多汗症とはその名の通り、必要以上に汗をかく疾患のことを意味します。多汗症の場合、脇の下だけでなく、手のひらや足の裏などからも大量の汗を分泌するのが特徴です。

エクリン汗腺

多汗症の場合、汗が分泌されるのはエクリン汗腺からであるケースがほとんどです。エクリン汗腺から分泌される汗は、アポクリン汗腺から分泌される汗のように、強烈ににおいを発することはありません。

ただ、あまりにも汗の量が多いといわゆる「汗臭い」臭いを発するリスクは増しますし、シャツの色が変わることにもつながりかねません。

ワキガと多汗症の見分け方

脇の下から大量に汗をかくと同時に、身体からも大量に汗をかく場合、ワキガなのか多汗症なのか分からないケースもあると思います。そこで、ワキガと多汗症の見分け方について解説します。

臭いの有無

ワキガと多汗症の簡単な見分け方は、鼻を突くような強烈な臭いがあるかどうかです。多汗症の場合であっても、あまりにも大量に汗をかいた場合、汗臭さにつながることもあります。

ただ、ワキガの場合は通常の汗では考えられないような、強烈な臭気を放つのが特徴です。また、ワキガの場合、シャツの脇の部分が黄ばみやすくなるのも特徴です。

ワキガは遺伝性

ワキガの多くは遺伝が原因とされます。実際、アフリカ系の民族はほぼ100%がワキガとされており、欧米人もおよそ80%がワキガを持っているとされます。

日本人の場合、およそ20%がワキガとされていますが、ワキガの方の多くが日本にもともと住んでいた縄文系の民族の遺伝子を持っていると考えられています。

ワキガの方の多くはじめじめとした耳垢(軟耳垢)をしており、親の耳垢が湿っている場合、子供がワキガになるリスクも高くなる傾向にあります。

ワキガと多汗症との違いについてご理解いただいたところで、美容外科やクリニックにおける治療法について解説したいと思います。

美容外科での治療法

クリニックでのワキガの治療は、そもそものワキガの元となるアポクリン汗腺を外科的に取り除いたり、特殊な光線を照射したりする方法でおこなわれています。

切除

ワキガはアポクリン汗腺から分泌される汗が、皮膚の常在菌に反応することによって起こります。そのため、外科的に汗腺を切除し、臭いの元を立つという処置が採られます。

代表的な手術療法としては剪除法(せんじょほう)やイナバ法があげられます。剪除法は脇の下を切開し、臭いの元となる汗を分泌する汗腺を取り除く方法です。

イナバ法はアポクリン汗腺やエクリン腺が存在する真皮組織と皮下組織を、医療用の特殊なシェーバーで削り取る手術療法です。

光線療法

手術は避けたいという方には、光線療法という手段もあります。例えばミラドライと呼ばれる治療法では、マイクロ波によって汗腺を熱破壊することで、臭いの元となる汗腺からの汗の分泌を抑えます。

多汗症の治療

人間の生命活動は自律神経のバランスによって支えられていますが、発汗を司るのはアクセルの役目を果たす交感神経です。走った時に汗をかくのは、交感神経が優位になるからです。そのため、多汗症の治療においては、交感神経の働きを抑える治療がおこなわれます。

ボトックス注射

多汗症の改善のためには、交感神経の不要な興奮状態を鎮めることが重要となりますが、その方法としてよく用いられているのがボトックス注射です。

ボツリヌス製剤を注射器によって皮下に注入することで、交感神経の働きを抑え、汗の量を減らすことが可能です。薬は時間とともに体内へと吸収されるため、安全な治療法でもあります。

池袋サンシャイン美容外科のワキガ・多汗症治療

美容クリニックではワキガや多汗症に対していろいろな施術をおこなっていますが、当院では、ワキガや多汗症を根本から改善するため、汗腺を切除する施術を主に採用しています。

直視下反転剪除法

当院では、直視下反転剪除法(ちょくしかはんてんせんじょほう)という独自の治療法を用いて、ワキガの根本的な改善を目指しています。熟練の医師が直接目で確認し、汗腺を丁寧に取り除いていきます。

脇のシワに沿ってメスを入れるので傷口が目立ちにくいのが特徴で、アポクリン汗腺だけでなくエクリン汗腺の除去もできるため、ワキガだけでなく多汗症の治療法としても有効です。

汗腺の切除をおこなったら、熟練の医師によって傷口の縫合がおこなわれ、回復を促進するために抜糸後のアドバイスもおこなっております。

ボトックス注射

多汗症の治療に関しては、直視下反転剪除法だけでなく、ボトックス注射もおこなっております。ボトックス注射の効果はおよそ4ヶ月から9ヶ月持続するので、半年から1年に1度の施術をおすすめしています。

まとめ

ワキガも多汗症も、決して命に係わる重大な疾患というわけではありませんが、当の本人にしてみればとてもデリケートで、かつ深刻な悩みでもあります。

ワキガや脇汗のにおいは脱毛によって軽減することもできますが、より根本的に改善したいということであれば、手術による汗腺の除去をおすすめしています。

池袋サンシャイン美容外科では、美容に関する皆様のお悩みにお答えするべく、保険を適用したワキガの治療コースも設けております。ワキガや多汗症にお悩みの方は、ぜひ一度、当院までお気軽にご相談ください。

監修者情報

医療法人社団 栄真会
池袋サンシャイン美容外科

院長 鈴木 栄樹

日本美容外科学会正会員・認定医
日本美容外科医師会正会員
日本抗加齢医学正会員

<院長略歴>
95年 聖マリアンナ医科大学卒業
03-06年 医療法人博済会鈴木病院 美容外科外来開設
06年 池袋サンシャイン美容外科開設