フェイスリフトは100年以上の歴史を持つ、代表的な美容外科的な手術です。
そのため、数多くの症例数があり、技術も昔と比べて格段に進歩してきています。
ただ、顔にメスを入れるというと、やはり抵抗がある方もいらっしゃると思います。
そこで、フェイスリフトのメリットとデメリット、およびフェイスリフトを受ける際の注意点を紹介したいと思います。
フェイスリフトとは?
フェイスリフトのメリットやデメリットなどについて紹介する前に、まずは、フェイスリフトとはどのような治療なのかを知っておきましょう。
100年以上の歴史を持つ美容外科的手術
フェイスリフトというと、最近になっておこなわれるようになったイメージをお持ちの方がいらっしゃるかもしれませんが、実は、フェイスリフトはヨーロッパでは100年以上もの歴史を持つ美容外科的手術なのです。
いわゆる整形手術とは異なる
フェイスリフトは、近頃はやりのプチ整形などとは似て非なるものです。
プチ整形の場合、皮膚の表面だけを持ち上げてリフトアップ効果を実現しますが、このような方法だとすぐに元に戻る可能性が高いです。
フェイスリフトは、医学的根拠に基づいた手術療法なので、確実にリフトアップ効果を実現し、しかもその効果を長持ちさせることが可能となっています。
フェイスリフトのやり方
フェイスリフトは主に、耳の後ろ側や髪の毛の生え際といった、なるべく傷跡の目立たない場所から切開し、筋膜をリフトアップしてたるみを除去していきます。
フェイスリフトの対象
フェイスリフトの対象となるのは、主に額や中顔面域、そして首周りです。
では、それぞれの特徴について見ていきましょう。
額
年齢とともに額の皮膚がたるんでくると、深くしわが刻まれて老けた印象になってしまいます。
また、額の皮膚がたるむことによって、眉や上まぶたの位置も下がり、疲れた印象を与えることもあります。
額のリフトアップをおこなうことで、目力を取り戻し、若々しい印象を与えることが可能となります。
また、眉間や鼻の頭のしわを取り除くことにもつながります。
中顔面域
中顔面域に対するフェイスリフトは、主に頬やこめかみを引き上げる目的でおこなわれます。
頬のしわがたるむとほうれい線が深く刻まれ、ブルドッグのような印象を与えてしまいます。
頬にはたくさんの表情筋が集まっていますが、表情筋を覆っている膜のことをSMAS(Superficial musculo-aponeurotic syststrong:表在性筋膜)と言います。
フェイスリフトはこのSMAS、つまり表情筋の筋膜を持ち上げることにより、若々しい状態を、長期にわたって維持することを目的としています。
こめかみに対するフェイスリフトは、目全体を引き上げる目的でおこなわれます。
まぶたがたるんでいるだけなら、まぶたや額にアプローチするだけでいいのですが、目全体がたるんでいる場合、まぶたや額に対するアプローチだけでは不足です。
目尻からこめかみにかけてフェイスリフトをおこなうことによって、目全体を引き上げ、シャープな印象を取り戻すことが期待できます。
首
美容の世界では、「その人の首を見るとおおよその年齢が分かる」などと言われます。
ただ、首のしわやたるみがひどい場合、実年齢よりも老けて見られることにつながりません。
また、顎と首の境界線がはっきりしないと、実際以上に顔が大きく見えてしまいます。
首に対するフェイスリフト(ネックリフト)をおこなうと、若々しい印象を与えられるだけでなく、小顔効果も期待できます。
フェイスリフトのメリットとデメリット
フェイスリフトについて基本的なことを知っていただいたところで、次に、フェイスリフトのメリットとデメリットについて見ていきたいと思います。
メリット
フェイスリフトには長い歴史があり、いろいろなリフトアップ法が生み出され、改良を繰り返してきました。
その結果、以下のようなメリットを得ることが可能となりました。
メンテナンスが不要
フェイスリフトのメリットとしては、メンテナンスが不要だということがあげられます。
基本的には一度の手術でリフトアップが終了しますし、手術後に何度も治療を受けなければならないようなこともありませんし、服薬の必要もありません。
たるみの除去に適している
フェイスリフトのメリットとしては、なんといってもたるみの除去に最適だということがあげられます。
もともとたるみを取り除くことに特化して技術が進歩してきているため、およそたるみを取るという効果に着目した場合、フェイスリフトに適う方法はないかもしれません。
若返り効果が高い
フェイスリフトの目的は、美容整形のように目を大きくしたり、顎を削ったりすることではなく、リフトアップによって若々しさを取り戻すことにあります。
フェイスリフトによってたるみを取るだけで、10歳から20歳若返って見えるケースも少なくありません。
デメリット
フェイスリフトは100年以上にわたって研鑽を重ねてきた技術ではあるのですが、やはりデメリットもいくつかあります。
傷跡が残る
フェイスリフトの最大のデメリットとしては、切開した後に傷跡を残すということがあげられます。
もちろん、技術の進歩によって傷跡を目立たなくさせることは可能となっていますが、まったくゼロにできるわけではありません。
フェイスリフトが適さないケースもある
フェイスリフトは安全な手術とはいえ切開をともないます。
そのため、切開に抵抗がある人には適さないリフトアップ法だと言えます。
合併症のリスクがある
フェイスリフトは切開をともなう手術療法であるため、発症例こそわずかながら神経損傷や感染症といった合併症のリスクがあります。
フェイスリフトを受ける際の注意点
フェイスリフトの治療を受ける場合、いくつか注意しておくべき点がありますので、簡単に消化したいと思います。
人に会う用事を済ませておく
フェイスリフトのような美容外科的手術にはダウンタイムと言って、麻酔や手術による腫れが引くまでの期間があります。
特に切開をともなうフェイスリフトは、他の治療法よりもダウンタイムが長いので、手術後2週間前後は人と会う約束を入れないほうが良いでしょう。
保護テープやガーゼをはがさない
フェイスリフトの手術をおこなった場合、患部を保護するためにテープやガーゼで覆います。
テープやガーゼをはがしてしまうと、患部の回復を遅らせることにもつながりかねないので、必ず貼ったままにしておきましょう。
異変があったらすぐ医師に相談する
フェイスリフトには歴史があり、比較的安全な手術療法ではあるのですが、手術であることに違いはありません。
そのため、手術後に何らかの異変が見られた場合、すぐにクリニックの医師に相談しましょう。
まとめ
フェイスリフトは100年以上の歴史を持つ、美容業界では伝統的なリフトアップ法です。
たるみを取り除くという点では絶大な効果を誇りますが、傷跡が残るデメリットもあります。
ただ、技術の進歩によって傷跡をなるべく目立たなくさせることも可能となっているので、たるみが気になる方はぜひ一度ご相談ください。
監修者情報
医療法人社団 栄真会
池袋サンシャイン美容外科
院長 鈴木 栄樹
日本美容外科学会正会員・認定医
日本美容外科医師会正会員
日本抗加齢医学正会員
<院長略歴>
95年 聖マリアンナ医科大学卒業
03-06年 医療法人博済会鈴木病院 美容外科外来開設
06年 池袋サンシャイン美容外科開設